第一章 霊媒師こぼれ話_岡村英海

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◆ にゃにゃーん! …… ………… ………………うぅ……眠い……なに……? ねこ……? にゃにゃーん! にゃにゃーん! …… …………ねこ……鳴いてる……どこで…… にゃにゃーん! にゃにゃーん! にゃにゃーん! ……どこ……? …………どこ……? ……って、ココだ、 深すぎる眠りから猫の鳴き声で起こされた。 ソファーの上で身体をモゾモゾ、僕はポケットの中からスマホを取り出す。 仰向けに寝たまんま、その画面を見てみると……見るんじゃなかった【会社】の表示。 はぁ……とため息ひとつをこぼし、そのまま画面をタップすると、猫の鳴き声の着信音(・・・・・・・・・)が止み、代わりに耳に入って来たのは、 ____もしもし?  課長の声だった。 「あ……オハヨゴザイマス」 ____おはよう、なんだか眠そうだねぇ。昨日はおつかれさま、大変だったでしょう。それで瀧澤建設さんはどうなった? お怒りが鎮まらないようなら私と部長もお伺いするつもりだから状況が知りたくてね、 「その件に関しては心配いりません。瀧澤社長は寛大で、営業が飛ばしたデーターを復旧させる事でお許しくださいました」 ____そう! さすがは岡村君、本当にありがとう! まったく困った話だよ。営業部には部長を通してしっかり文句を言っといたからね! そりゃどうも、と半分寝たまま受け答え。 話ながら壁の時計を見てみると、時刻は朝の6時半。 寝ちゃった時間が分からないけど、たぶんきっと2~3時間しか寝ていない。 あー眠い、電話切ったら瀧澤社長に挨拶してさ、そのままアパートに帰るんだ。 なんたって今日はお休み、だからこそ出来た無茶だ。 ____……くん、……岡村君、聞いてる? 「あ、聞いてます聞いてます。すみません、昨日ちょっと遅かったから眠くって」 正直にそう言うと、課長はほんのり困ったような空気を出した。 電話越しの息遣いから嫌な予感が量産される。
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