第八章 霊媒師こぼれ話_白猫の小雪

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大きな窓の広い部屋。 真ん中あたりに低い机とふかふかクッション。 机を挟んだ手前側にはおはぎがちょこんと座ってて、向こう側には虹のスタッフ、ダーマン星のリーとは別の戦闘民族、シヴァが困り果てていた。 『お、おはぎちゃん、聞いて、ちょっとだけ聞いt』 言いかけるシヴァ、おはぎはまったく聞いちゃいない。 斑の仔猫はおめめキラキラ、尻尾をプルプル震わせながらゴキゲンだった。 『あのね! あのね! おはぎはトウとカアに会ってきたんだにゃ! トウとカアはおはぎを忘れてなかったの! おはぎのコトずっとおぼえてくれてたしダイスキっていっぱい言ってくれたんだにゃ!』 『うんうん、そうかぁ。お父さんとお母さんに会えて良かったねぇ、嬉しかったねぇ。シヴァもそのお話いっぱい聞きたいよ。でもその前に手続k』 あらあら、相変わらずシヴァは優しいわねぇ。 虹の国のカア的存在、みんなの話をニコニコしながら聞くのよね。 だから余計かしら、おはぎの話が止まらない。 『だっこもいっぱい! ナデナデもいっぱい! ササミもたくさん食べたしね、おいしいお水もいっぱいのんだの!』 『だっこにナデナデ! それは幸せねぇ。そ、それでね、おはぎちゃん、あのn』 シヴァ……手続きしようと頑張ってるわ。 おはぎはまったく気づいてないけど。 『あとね、あとね、赤ちゃんだったひでみが大きくなっててビックリしたの!』 『ひ、ひでみって誰……?』 そうよねぇ、分からないわよねぇ。 シヴァ、困ってるわ……助けに行かなくちゃ……だけど……うなは!  面白いからもうちょっと視てようかな(まだ私が来たのに気づいてないし)。 『それからね、新しいお姉ちゃんもいたんだにゃ! お姉ちゃんは茶トラの ”きなこ” で優しいの! それから、それから、小雪にも会ったんだにゃー!(プルプルプル……キリィッ!)』 『え!? おはぎちゃん、現世で小雪ちゃんに会ったの!? 元気だった? さみしい思いはしてないかしら、ゴハンはちゃんと食べてるのかしら、現世で生き人(いきびと)と暮らしてるって聞いたけど、その人は優しいのかしら、……もしもイジワルする人だったら……(ピキッ!)今からその生き人(いきびと)ぶん殴りに行くわ!』 ちょーーー! ぶん殴りに行かないで! だいじょうぶ! 私の英海(ひでみ)は優しい子だから! とっても大事にしてくれるからーーー!
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