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夜が明けて翌日早朝____
私とサン、オトナ猫ズの昨日の晩は夜更かしだった。
ほかの子達がスヨスヨ眠る傍らで、たくさん話をしていたから。
後半、サンは泣いてしまった。
大きな霊体を床に伏せ、耳はペタンとイカミミで、ボロボロボロボロ涙を溢して私にぴったり寄り添った。
そして、こんな事まで言い出したのよ。
『小雪さん、今日はこの後、明るくなったら主さんに会いに行くんでしょう? わ、私も着いて行くわ。もちろんジャマはしない、近くにいるだけ。だってなんだか心配なのよ。だ、大丈夫、虹の国には内緒で行くから。きっとなんとかなるはずよ』
私はそれを聞いた時、真面目なサンらしからぬ発言に驚いたのよ。
通常、虹の国の動物達は、単独で黄泉の国には入れない決まりになってる。
入って良いのは飼い主さんと一緒の時か、特別に許可が下りてる場合だけ(私はこのパターン。だいぶ前に現世祓い屋、”おくりび” の専属猫又登録をしてるから行き来は自由)。★
なぜ飼い主さんと一緒でないとダメなのか。
その理由は至極単純。
お迎えが来る前に、単独で黄泉をウロウロしていたら、にゃっという間に誰かしらに保護をされてしまうから。
____やだ! この子ボッチなの!?
____飼い主さんはどうしたのかしら……
____近くに誰もいないみたい……心配ねぇ、
____いいわ、こうなったらウチに連れて帰りましょう、
____おまえは今日から私の子よ!
と、黄泉の国には善人しかいないから、どうしたってこうなるの。
保護をしてしまえば、一緒に暮らせば、猫であろうと犬であろうと大事な愛しい家族になる、出会う前には戻れなくなる。
それなのに、忘れた頃に本来の主さんが迎えに来たらどうなるか。
これも答えは至極簡単、そう……ド修羅場にゃ。
”返してください!”、泣きながら叫ぶ飼い主、それに対して ”ぜったいイヤです!”、毛玉を抱えて泣き逃げる保護者。
ドッチも悪くない、だけどドッチも譲れない……そんな悲劇を招かないよう、お迎え控えた虹の国の動物達は、単独で黄泉の国へは行ってはならぬと決まり事がつくられたのだ。
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