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虹でサンに視送られ、言霊唱えて瞬間移動。
三尾を一振りするより早く、黄泉の国に到着にゃ。
黄泉の国____
命を持たない死人の楽園、善人しかいない国。
住人は人の子だけにとどまらず、ありとあらゆる者達が、笑い合い、許し合い、尊重し合って住まう国。
髪の色、瞳の色、肌の色、そんなもので区別はしない。
にゃんてったって、黄泉にいるのは地球の子だけじゃないんだもの。
バンブー星、ダーマン星、コナモノ星、ダイテ星、コニ星……と、早い話が地球外非生命体がわんさかいるのだ。
死人のるつぼ、インターナショナル、グローバル、ワールドワイド……ま、呼び方はなんでもいいけど、とにかく、多星籍な大きな国で間違いない。
この広い黄泉のどこかにお姉ちゃんがいる、……だけど一体どこから探せば良いのだろうか。
霊視をするにもこの規模じゃあ、ある程度の絞り込みが必要にゃ。
そう思ってやってきたのは……国中にたくさんある大きな街のひとつ、ミセレイニアスよ。
視渡せば雲まで届くノッポの建物、ズラッと並ぶお店屋さん、買い物好きの英海が視たら大喜びしそうだわ。
ここはとっても賑やかで、遊ぶところがいっぱいあるから街は霊で溢れてる。
でも、霊が多いのはそれだけが理由じゃない。
この街を中心に【黄泉の国入出国センター】、【光道開通部】、【光道開通部機械棟】、などの各機関が集中してるから。
入国したての死者達と、その付き添いの光道の職員達。
入国は済んでいるけど、まだ来たばかりで分からない事を聞きに来た住人達……なんかも大勢いるの。
お姉ちゃんが虹の国にハムの小雪を迎えに来たのは現世時間で4月頃、……という事は、入国してまだ数か月しかたっていない。
慣れない黄泉での新生活、きっと、各機関が立ち並ぶミセレイニアス近辺に住んでるはずだ(たぶん)。
だからまずは、ここから探してみようと思う。
とは言え……街はすこぶる賑やかで、右を視ても左を視ても、にゃんだったら空を視ても霊がいる。
霊視をするにもガヤガヤしすぎて集中できない。
ココはひとつ、静かな場所に移動したいところだわ。
でも、どこに行ったら良いのかしら。
ミセレイニアスは春に1度平蔵と来てるけど、そんなに詳しくないのよね……と、困っていた時だった。
突然、後ろから声をかけられたのよ。
それはとっても綺麗な声。
たとえるのなら、ガラスでこさえた鈴の音によく似てる。
『……あら? ……もしかして、 大福ちゃんじゃない?』
にゃ? と思って振り返る……するとそこには。
黒のタンクトップ、迷彩柄のズボンを履いて軍隊みたいな編み上げブーツ。
視上げる程に大きな霊体は誠みたいに筋骨隆々。
私を視つめる驚き顔が、瞬き三つで溶けきったその霊は……
『うなな! 久しぶりだにゃー!』
春に黄泉に来た時に、仲良くなった白雪だったのだ!★
★春に先代と黄泉の国に逝った大福は、その時に白雪に戦闘の修行をつけてもらってます。そのコトがチラっと書いてあるのがこのあたりです。(『霊媒師募集』本編に飛びます)
https://estar.jp/novels/24474083/viewer?page=1447&preview=1
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