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長い手指を組んで絡めて離して組んで。
手慣れた様子が視ていてなんだか安心する、彰司ならやってくれると思わせる。
私と佐知子と白雪は、彰司から少し離れた所に立って、印を組むのを黙って眺め続けてた。
それから少しして。
手指の動きがピタリと止まり、彰司はそれをほどく事無くそのまま口に持ってきた。
ここからでは聞こえないけど、口の中で小さくなにかを呟いて、祈るように目を閉じた……その瞬間____
____ドクンッ!!
大地が大きく脈を打った気がしたの。
今のは一体……訳が分からず胸がドキドキいいだして、霊体の毛がボワッとブワッと逆立った、……が、両隣のヒトの子達は至って平静。
何事も無かったように彰司を視ている。
だから私もンベンベと高速で毛繕いして気を落ち着かせ、二霊にならってそのまま前を視続けたのよ。
大地が鳴った数十秒後。
彰司と、彰司のまわりが真珠の色に発光しだした。
空からの、恵みの光のそれより明るく輝いて、野草も野花も輪郭が光に飛ばされ消えていく。
同時、金色の光の粒子が雪のように宙を舞い……うな……なんと綺麗で幻想的な光景だろう。
ただ、猫の目にはちょっと明るすぎだけど。
シパシパ薄目でなんとか前を視ていると、彰司が軽く草を踏み、サクッと小さな音がした____
____その直後、
ゴウッ!!
立ってる彰司を中心に、円を描いたドーナツ状の大地から、数えきれない光の帯が地から天へと伸びたのよ。
それらはもれなく四方八方、帯のすべてにまるで意思があるように、迷う事なく果ての果てまで勢いをつけ飛んでいく。
彰司は円の真ん中で、結わいた髪を風にまかせて立っていた。
時折目を細め、
時折なにかを呟き、
時折空を視上げ、
時折大地を視つめ、
時折耳を澄ませた、
その様子は実に優雅で穏やかだった。
なにも知らない誰かが視たら、まさか今、霊視で霊を探しているなど思いもしない事だろう。
……
…………
………………
どのくらい時間が経ったか分からないけど、決して長いものではなかった。
目線の先の光の中で、ふと、彰司がこちらを向いた。
そして、
『大ちゃん、お姉さんを視つけたよ』
眉を下げ優しく笑い、静かな声でそう言ったのだ。
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