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ソーダの光がシュワシュワしている、”移動の陣” から足を一歩踏み出した。
そしてそのまま二歩三歩、四歩五歩と六歩を数えて立ち止まる。
その時、ふと息苦しさを感じた……が、なんて事はない。
この街の、いや、この村のどこかにお姉ちゃんがいる……そう思ったら嬉しくて、それと同時、嬉しさ以上に緊張しちゃって、ただ単に、息をするのを忘れていただけ。
ああ、これじゃあダメね、落ち着かなくちゃ。
そう考えて大きく大きく息を吸う。
吸って、吐いて、吸って、吐いて、また吸ったらまた吐くの。
そうしているうち、幾分気持ちが平らになった。
平らになれば、まわりを視る余裕も出てくる。
改めて顔をあげれば、まばらに建ってる民家らしきと広がる水田。
植えたばかりか小さな稲が、等間隔で風にそよそよ揺れていた。
『……キレイな所ね……田んぼ以外はなんにもない……昔、生きていた頃。お姉ちゃんと住んでた場所に少し似ている。もっとも……ここよりは、もう少し色々あったけど(スーパーとかコンビニとか)』
ココに着いた時。
どこか無性に懐かしく感じたのは、そういう理由があったのだろう。
お姉ちゃんも、同じように感じたのだろうか?
だから、華やかなミセレイニアスではなく、プレサスメリルに住んでいるのかもしれない。
それにしても……民家、少ないわね。
プレサスメリルがどのくらいの広さなのかは分からないけど、全域を探すにしたって、これならきっとすぐに視つかる。
なんなら、この範囲なら霊視でだって楽勝よ。
楽勝……そうね、楽勝だけど、やっぱり歩いて探しましょう。
だってホラ、ココロの準備やなんにゃらかんにゃら色々あるでしょ?
べ、べつに怖気づいてるワケじゃにゃいけど、デモデモダッテ……ゴニョゴニョ。
そう、アレよアレ、久しぶりだし手土産がいるかと思って。
土産と言ったらバッタが定番(猫界ではジョーシキ)。
でも、お姉ちゃんは虫が苦手で泣いちゃうから、無難にお花がいいかもしれない。
そんなコトを考えながら、テチテチ道を歩いていると。
少し先の田園で、作業をしている住人らしきを視つけたの。
イチニイサンシイ……全部で5霊。
頭にハチマキ、真白な霊体に泥が跳ねても、気にする事無く水田に足を沈ませ田植えに励む。
作業しながらみんなで仲良く、歌を歌って楽しそう。
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