第八章 霊媒師こぼれ話_白猫の小雪

37/80
前へ
/370ページ
次へ
とにかく行こう! 今頃は、さっきの田んぼで待ってるはずだ! お姉ちゃんの居所は、ハッカチョ族に連れていってもらわなくても霊視で探せる。 だけど、そういう問題じゃあない。 鳥の子達は親切で、本チュン達にそんなつもりはなくっても、あの明るさに不安な気持ちがほんのちょっぴり救われたのよ。 ツイてる事に、待ち合わせの田んぼの場所はさっきの所で、記憶にだって新しい。 目的地を知っていれば瞬間移動が出来るんだもの、瞬きひとつで到着出来る。 少し遅れてしまったけれど、きっとダイジョブ会えるはず。 今すぐ行くから待っててね! ブンッ、 妖力(チカラ)を使ってスキルを発動。 ニャッと言う間に田んぼに到着。 私はにゃばばと焦りながらも、 『ごめんなさい! ちょっと遅れてしまったわ!』 大きな声であやまって、……あやまって……う、うな? うなな? あれ?(キョロ) あれれ?(キョロキョロ) い、いないーーー! もしかして待ちきれなくて行っちゃった? で、でも! お日様はまだまだ沈んでないじゃない! …………ハッ! それか逆にまだ来てないとか?……なんて、都合よく考えたけど、違ったらアレだから過去を霊視してみたの。 そう、この場所の30分くらい前を____ 【ピー! 大福、来ないわねぇ!】 【姉チュン、まだお日様は沈んでないわよ! ピョー!】 【そうは言ってもハッカチョ族はせっかちなのよ! ピピピー!】 【なんだか待ちきれないわねぇ。先に行っちゃいましょうか! ピヨ!】 【そうね! 目印をつけておけば大福も後から追って来れるわよ! ピッ!】 ____う、うなぁ! 先に行っちゃってるにゃーん! しかも! お日様は今より高くて、約束の時間より前じゃないのー! うな……知らなかったにゃ。 ハッカチョ族ってこんなにせっかちだったのね。
/370ページ

最初のコメントを投稿しよう!

473人が本棚に入れています
本棚に追加