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まぁ、待たせるよりは、先に行っててもらった方が気が楽だけど。
そう言えば……”目印をつけておけば” とかなんとか言ってたわね。
目印ってなにかしら?
そう思って辺りを視れば…………あぜ道に、パラパラ落ちてる光る物があったのよ。
あれはなにかしら……?
タタッと寄って、顔を近付け視てみると……
『これ、お米だわ。でも、現世のものより粒が少し大きいかしら。それになにより宝石みたいに光ってる。あら、このお米……点々と向こうの道まで続いているわ……ああ、そうか。これが目印なのね。このお米を追って行けば、お姉ちゃんのオウチに着くんだわ、』
まるで ”ヘンデルとグレーテル” だ。
ハッカチョ族はせっかちだけど、ちゃんとこうして教えてくれる。
ありがたいわ……よし、それじゃあ、この宝石みたいなお米を追って、行ってみましょう。
……
…………
………………
それから、お日様はみるみるうちに沈んで消えて、空の色は柿色から藍色へと変化した。
暗いあぜ道、お米はキラキラ輝いて、テチテチテチテチ歩いて行けば……あ、あれは……!
大きくもない、小さくもない、現世日本で良く視るような二階建て。
そこの前で、玄関先で、鳥の子と人の子の影が視てとれた。
そして、
『優子ちゃん、こんばんは! 今日は取れたてのお米を持ってきたわぁ! ピピー!』
ハッカチョ族の大きな声。
そのすぐ後には、
『わぁ! いつもありがとうございます! 嬉しいなぁ!』
生きてた頃もその後も、ずっとずっと忘れなかった、……大好きな霊の声が聞こえてきたのだ。
※余談ですが……お米は次の日ハッカチョ族が回収する予定です(*´▽`*)
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