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忍び足なら得意技。
私は誰にも知られぬように、霊体を伏せて後ずさる。
昼間に過ごした原っぱで、土産に摘んだシロツメクサをそっと置き、ゆっくりジリジリお姉ちゃんから距離を取る。
うな……我ながら未練がましい。
帰るのだったら瞬間移動を使えば良いのに、それなら誰にも視つからないのに。
ギリギリまでお姉ちゃんを視ていたい、ギリギリまでお姉ちゃんの声が聞きたい……そう欲張ってしまったの。
だけどこれが悪かった。
みんなが立ってる玄関先から、目測距離で3メートル。
そこまで下がったその時に、ふと、ハッカチョ族のそのうち一霊と目が合った。
目線バチコーン!
『う、うなっ!』←薄暗い中匍匐後進中の私
『ピャッ!?』←急に目が合いビビリ倒す鳥の子
お互いに視合ったまんまでフリーズ10秒。
その間、私は必死に ”黙ってて!” と声に出さずに訴えた。
顔をブンブン横に振り、察してくれと、そりゃあガッツリ伝えたつもりだったのに。
この鳥の子は、パァァァッと顔を輝かせ、くちばしをパカーッと開けると、
『やっだ! 大福じゃなーい! 目印分かってくれたのね! 待ってたピョー!』
月夜に響き渡るよな、大きな声で言いやがったのにゃっ!
★大福が原っぱで摘んでおいたお土産のシロツメクサです(*´ω`)
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