第八章 霊媒師こぼれ話_白猫の小雪

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『こんにちは、お米作りおつかれさまです♪ そろそろ一休みの時間でしょう? クッキーはいかが?』   お姉ちゃんがそう声をかけると、 『『『『『 ピャァァァァ!』』』』』 大盛り上がりで田んぼから駆けてきたけど、なんせ慌てるもんだから、アッチコッチに泥を跳ね散らかしていた(なぜ飛ばない)。 それから、ハッカチョ族はクチバシをカチカチ鳴らしてちゃぶ台を出現させた(テーブルじゃなくてちゃぶ台)。 それと同時にお茶や紅茶やコーヒーも、お手拭き(羽拭き?)なんかも出しちゃって、クッキーを迎える準備は万端に整った。 『『『『『 いただきまーす! ピャー!』』』』』 そんな声が高らかに。 そのすぐ後には、 『『『『『 美味いピョー!』』』』』 の大合唱。 お姉ちゃんは嬉しそうだった。 だけどそうね、こんなに喜ぶ姿を視たら、そりゃあ作ってあげたくなるわ。 そんなこんなでクッキー食べつつお喋りに花が咲く。 ”今夜もお米を持っていく” とか ”今度みんなで街に行こう” とか ”家族みんなで泊りに来い” とか和気あいあい。 私もすごく楽しくて、お姉ちゃんに寄りかかって笑っていた……その時だった。 不意に誰かが私を呼んだ。 だけどそれは ”小雪” の名じゃなく、 『大ちゃん、』 ”大福” の名前の方で。 え……? 聞き覚えのある声に振り向くと、そこには彰司が立っていたんだ。
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