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____死して肉体を手放せば、二度と病魔に怯える事無し、
____先代、このたびはおめでとうございます、
____今後共現世に留まり、ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い致します、
と、これは……ちゃん。
んぷっ! 思い出すと笑っちゃう!
まさかあのタイミングで ”おめでとうございます” と言われるとは予想を遥かに超えていました。
あの子の心は残念ながら闇に覆われている。
だけどね、私には視えますよ。
うんと奥で、膝を抱えて泣いてる姿が。
本当はとってもとっても優しい子、私はそれを知っています。
____せ、先代……先代……お、お、おつかれさまでした、
____だ、だけど……お、おねがい、ど、ど、どこにも逝かないで、
____そ、そばにいて、ボ、ボクのそばに、みんなのそばに、
ああ……そうでした、あの日の……君は取り乱すほどに泣いてねぇ。
顔を真っ赤にさせながらしゃくりあげていたの。
叶う事なら抱きしめてあげたかった。
強い霊力を持っていて、特に彼のナニカを創るチカラ、構築能力は驚愕するレベルです。
あとは少しの自信を持てば、彼は飛躍的に成長する事でしょう。
ぜひとも視守らなければいけません。
あと1人、……君だけは現場に出ていて沖縄にいたから、会う事が出来なかった。
清水君が呼び戻そうかと言ったけど……それは止めました。
ありがたい事にあの子も私を慕ってくれる。
知らせれば仕事を放って戻ってきちゃう。
そうなれば、依頼者をガッカリさせるし、それに……帰りの道中も心配です。
慌てて事故にでも遭ったら大変ですから。
だから内緒、帰ってきたら教えてあげてください…………
なんて、ああ……つい先月のコトなのに、うんと昔のコトのように思えます。
それはきっと、私は死んで幽霊になったというのに、今までとまったく変わらず接してくれる、あの子達のおかげなのでしょうねぇ。
本当に、私は良い家族に恵まれました。
家族のおかげで仕事の依頼がどんどん増えてる。
だからもう2人……いえ、1人でも良いから、新しい家族を迎えたいのですよ。
そう思えばこんなトコロでのんびりなんかしていられませんねっ!
さっ! 休憩は終わりです!
ダイヤの原石を探しに行きましょう!
次はどこへ行こうかしら……ん、そうね、ちょっと足を伸ばしてF市のハローワークなんて良いかもしれない。
あすこには大きな神社もあります。
視つからなければ帰りに寄ってお参りしても良いでしょう。
いざ! 出発です!
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