第二章 霊媒師こぼれ話_持丸平蔵と清水誠ー1

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____死して肉体(からだ)を手放せば、二度と病魔に怯える事無し、 ____先代、このたびはおめでとうございます、 ____今後共現世に留まり、ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い致します、 と、これは……ちゃん。 んぷっ! 思い出すと笑っちゃう! まさかあのタイミングで ”おめでとうございます” と言われるとは予想を遥かに超えていました。 あの子の心は残念ながら闇に覆われている。 だけどね、私には視えますよ。 うんと奥で、膝を抱えて泣いてる姿が。 本当はとってもとっても優しい子、私はそれを知っています。 ____せ、先代……先代……お、お、おつかれさまでした、 ____だ、だけど……お、おねがい、ど、ど、どこにも逝かないで、 ____そ、そばにいて、ボ、ボクのそばに、みんなのそばに、 ああ……そうでした、あの日の……君は取り乱すほどに泣いてねぇ。 顔を真っ赤にさせながらしゃくりあげていたの。 叶う事なら抱きしめてあげたかった。 強い霊力(ちから)を持っていて、特に彼のナニカを創るチカラ(・・・・・・・・・)、構築能力は驚愕するレベルです。 あとは少しの自信を持てば、彼は飛躍的に成長する事でしょう。 ぜひとも視守らなければいけません。 あと1人、……君だけは現場に出ていて沖縄にいたから、会う事が出来なかった。 清水君が呼び戻そうかと言ったけど……それは止めました。 ありがたい事にあの子も私を慕ってくれる。 知らせれば仕事を放って戻ってきちゃう。 そうなれば、依頼者をガッカリさせるし、それに……帰りの道中も心配です。 慌てて事故にでも遭ったら大変ですから。 だから内緒、帰ってきたら教えてあげてください………… なんて、ああ……つい先月のコトなのに、うんと昔のコトのように思えます。 それはきっと、私は死んで幽霊になったというのに、今までとまったく変わらず接してくれる、あの子達のおかげなのでしょうねぇ。 本当に、私は良い家族に恵まれました(・・・・・・・・・・・)。 家族のおかげで仕事の依頼がどんどん増えてる。 だからもう2人……いえ、1人でも良いから、新しい家族を迎えたいのですよ。 そう思えばこんなトコロでのんびりなんかしていられませんねっ! さっ! 休憩は終わりです! ダイヤの原石を探しに行きましょう! 次はどこへ行こうかしら……ん、そうね、ちょっと足を伸ばしてF市のハローワークなんて良いかもしれない。 あすこには大きな神社もあります。 視つからなければ帰りに寄ってお参りしても良いでしょう。 いざ! 出発です!
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