第八章 霊媒師こぼれ話_白猫の小雪

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それから英海(ひでみ)は____ 初めて会ったあの日のように、スーツに泥が付くのも構わず地面の上にペタンと座った。 そして、変化(へんげ)を解いた私をギュウッと抱きしめたのよ。 うな……あったかい。 「……大福はどうしてここに? 黄泉の国にいたんじゃないの?」 私の頭に鼻を押し付けフゴフゴしながら英海(ひでみ)が言った。 そうね、少し前まで黄泉(むこう)にいたわ。 でもね、帰ってきたの。 英海(ひでみ)に会いに、英海(ひでみ)を助けに。 『うな、うなななな……うなぁん』 私が猫語で答えると、英海(ひでみ)は眉毛をハの字にさて心配そうにこう聞いた。 「帰ってきたって……お姉さまは? その……会えたんでしょ?」 『うな、うっなー、うなななな。うなぁん、うなうなうな』 「わぁ! ちゃんと会えたんだ! ああ……良かった! しかも、お姉さまは大福の事を思い出してくれたんだね! ……そっかぁ……そっかぁ……ずっと心配だったんだ……送り出したは良いけど、お姫が泣いてたらどうしようって思ってた。はぁぁぁ……安心したよぉ!」 そう言って泣き笑う、英海(ひでみ)もお姉ちゃんとおんなじだわ。 ”うなうな” だけで通じ合う、心と心で繋がっている。 私は、ここ数週間の黄泉で起こったすべてのコトを話して聞かせた。 おはぎの入国手続きのコト、岡村家の歴代の猫達のコト、虹の国の管理人シヴァのコト、白雪のコト、彰司と佐知子のコト、ハムの小雪とハッカチョ族のコト、それからお姉ちゃんのコトも。 そうそうそれと、現世で英海(ひでみ)がソロの現場でピンチなコトは、彰司がコッソリ教えてくれたコトもね(どうせ後でバレるだろうし)。 すると英海(ひでみ)は口を尖らせ、 「んもー、内緒だって言ったのにー。大福、ごめんね。せっかくお姉さまと過ごしていたのに……僕がヘタレなばっかりにジャマしちゃったよぉ」 ショボーンと涙目、みるみる萎んでうなだれた。 まったく、泣いたり笑ったりショボンとしたりで忙しいわね。 ジャマな訳ないじゃない。 どこにいたって駆け付ける、どんな時でも助けてあげる。 だって、英海(ひでみ)は私の大事な子だもの。 お姉ちゃんとおんなじくらいに愛してるのよ。 そんな愛しい私の英海(ひでみ)はショボショボのメソメソで…… 「うぅ……うぅ……お姫ぇ……ごめんよぉぉ……僕のせいで、お姉さまとの時間が……うぅ、うぅ……うわぁぁん!」 やだ、英海(ひでみ)ったら強がってたけどよっぽど淋しかったのね。 泣いちゃって、いつもの3倍グズグズしてるわ。 仕方のない子、手のかかる子、本当に…………大好きよ。 うなな、どれくらい好きかと言うと、 ゴチッ! ゴチッ! ゴチッ! 愛を込めて頭突きを三発キメちゃうくらいにゃー! 第八章 霊媒師こぼれ話_白猫の小雪__了 ★またも長くなった『大福編』を最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました(*´ω`)💕 お付き合いいただいた皆さまに深く感謝申し上げます✨ 『大福編』は今夜で完結ですが、明日の0時にあとがきっぽいものと、いただいた素敵なイラスト、豪華8枚をご紹介させていただきますので、どうぞよろしくお願いします(*´▽`*)ノシ
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