第九章 霊媒師こぼれ話_エイミウの星の砂

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美味しいゴハンを堪能したら、お次は当然デザートだ。 なににしようか悩んだけれど、メニューを見てたら ”今月のおすすめはハチミツたっぷり大満足なパンケーキ!” と大きく書いてあったんだ(そんなの見たら気になっちゃう!)。 メニューに写真は載っていなくて ”たっぷり4枚シェアでどうぞ♪” の但し書き。 4枚じゃあ多いかな? って思ったけれど、こういう所のパンケーキなら、きっとちんまりミニサイズだと踏んだんだよね。 だから僕らはサクッとオーダー。 それなのに、しばらくしてから一緒に頼んだジャスミンティーと共にきた、予想に反したタワーみたいなパンケーキを見てお口がパカーンと開いちゃったんだ。 「水渦(みうず)さん……これ…………」←茫然とする僕 「……バベルの塔、でしょうか」←目を丸くする水渦(みうず)さん ちょっと待って、これってどんな逆裏切り? ミニマムを予想したのに運ばれたのはマキシマム。 パンケーキ1枚の大きさは、目測だけど直径は15センチで高さは5センチかなりデカイ。 それが4枚重なって、上からたっぷりハチミツがかけられている。 2人でシェアと言ったって、この大きさを1人2枚の計算だ。 ゴハンをあんなに食べたのに、こんなにいっぱい食べられないよぉ! ど、どうしよう。 頼んでおいて残すなんて絶対出来ない。 もういっそ、半分食べてあとの残りはテイクアウトをするしかないと思っていたら……ココで、水渦(みうず)さんがスマホを取り出しバベルの塔の写真を呑気に撮りだしたんだ。 「ちょ、水渦(みうず)さん。なに写真なんか撮ってんの。あ、うん、まぁ撮ってもぜんぜん良いんだけどさ。それよりこの量! ゴハンの後にこんなには食べられないよ。こんなスゴイのが来るだなんて思わなかった。食べきれなかったらテイクアウトにしてもらう? でもなぁ、午後もあるからあんまり荷物は増やしたくないよねぇ」 どうしたものかと塔を前に唸っていると、水渦(みうず)さんはスマホをポチポチいじった後に、僕に向かって言ったんだ。 a6509f8d-4fbb-4293-9181-a93da19f9eb5
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