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____ねぇねぇ聞いてるー? 水渦さんってばー!
…………ふ、
この声、この話し方、霊視で覗くまでもない。
きっと今頃ユリさんは、口を尖らせジタバタしている。
私の返事を今か今かと待っているに違いない。
先日に、あの人からバーベキューの話を聞いて、最初は躊躇したものの最終的には参加と決めた。
あの人から熱心に誘われたのと、それから、”今のアナタなら楽しめると思うんだ” そう言われたのがきっかけだ。
確かに、……あの人の言う通りかもしれない。
ユリさんも誘ってくれる、……それがとても嬉しくて、参加前から心がじわりと温まる。
「ユリさん、ちゃんと聞いていますよ。ええ、参加します。こんな機会、滅多にないですから」
そう答えるとユリさんは、弾んだ声でこう言った。
____本当ですか!? やったぁ! 嬉しいです! 当日はいっぱい食べていっぱいお喋りしましょうね! 社長がね、その日はぜんぶ男性チームがお肉を焼くから女子はなんにもしなくて良いって言うんです、甘えましょう、おまかせしちゃいましょう! それでね、もしダイジョウブなら、その日は少し早めにウチに来てもらえませんか? ん? バーベキューの用意じゃないですよ。あのね、私ね、この前お買い物に行った時にね、水渦さんに似合いそうなキレイなピンを見つけたんです。だから早めに来てもらえれば、私が髪を結ってあげます。水渦さんをもっともっとキレイにしちゃうの!
私に似合いそうなピンを見つけた……?
それで髪を結ってくれると言ったのですか……?
そのピンをわざわざ買ったと、当日もわざわざ早起きするのですか?
私の為に……?
この時、私の胸が驚く程に大きく鳴った。
こんな事は初めてだ。
嬉しい、……嬉しくて嬉しくてたまらない。
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