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ユリさんの話はこうだった。
……
…………私ね、今だから言えるけど、水渦さんと初めて会った前日に社長から言われたんです。
水渦さんは大の人嫌いで、言葉がとにかくキツイって。
あ、これは悪口じゃないですよ。
だって社長はこうも言ってたんです。
キツイ所はあるけれど、仕事は出来るし根っからの悪人じゃない。
ただ、慣れ合う事が好きじゃないから、最初はビックリするかもしれないと。
私は少し大げさでは……と思ったけど、初めて会ったあの日、会社に着いて、荒れに荒れた女子ロッカー室で大福ちゃんに取り押さえられた水渦さんを見て、社長の話は本当だったんだ……って思ったんです。
それもあって前にも言ったけど、あの日私は水渦さんって怖い人だと思ったの。
だけど違った。
あの後、社長と岡村さんと水渦さんは事務室で話をしてましたよね。
水渦さんは社長と岡村さんにはキツイ事をいっぱい言ったけど、私には一言も言わなかったもの。
その後、私と社長で庭で話をしてた時に、水渦さんと岡村さんが私達を覗いてて……その事を知った時、恥ずかしー! とか、ヤメテー! とか思ったけど、それと同時に、水渦さんって慣れ合わない人じゃなかったっけ? とも思ったんです。
まして、当時の岡村さんは入ったばかりで霊視は出来ないはずなのに、水渦さんが霊力をかしたと聞いて……私の頭はハテナだらけでした。
それで、水渦さんを見ていたら、なぜだかウチの爺ちゃんの事を思い出したんです。
爺ちゃんは生きてた頃は口は悪いし喧嘩っ早いし、近所の人から ”狂い熊” って呼ばれてました。
早い話が、まわりの人から怖がられちゃうタイプです。
そんな爺ちゃんは、いつでも言葉が乱暴で誤解ばっかりされるんだけど、気に入った人には親切なんですよね。
とは言え言葉はやっぱりキツくて好意がすごく分かりにくいの……って、あ、分かっちゃいました?
そうです、水渦さんもそのタイプかなって思ったんです!
えへへ、爺ちゃんと一緒にしちゃってごめんなさい。
とにかくそれで、きっと、水渦さんは岡村さんを気に入ったと言うか……敵ではないと思ったんだろうなって、そう感じました。
岡村さんは岡村さんで、水渦さんに何を言われてもちっともへこたれないでしょう。
いつだったか、神奈川のポ現の現場のその後に、ジャッキーさんと水渦さんと打ち上げをしたって聞いたし。
それだって、岡村さんが水渦さんを誘ったんですよね。
岡村さんにとって、水渦さんの言葉が多少キツイくらいはなんともなくて……あ、でも、ただ単に流すとかじゃなく、どうして言葉がキツクなるのか、その理由を考えてくれる人じゃないですか。
そういう人なら、水渦さんの優しい所にすぐに気づくんだろうなって思ったんです。
気づいてしまえば、好きになるのは時間の問題です。
や、当てずっぽうじゃあないですよ。
私も同じですから。
本当の水渦さんを知った時、大好きになっちゃったもん!
★水渦が大福に組み敷かれたシーンがこちらです
https://estar.jp/novels/24474083/viewer?page=411&preview=1
★水渦とエイミーがユリと誠を覗いたシーンもついでに
https://estar.jp/novels/24474083/viewer?page=424&preview=1
★神奈川の現場の後にエイミーが水渦を打ち上げに誘うシーンも
https://estar.jp/novels/24474083/viewer?page=586&preview=1
それぞれ『霊媒師募集』本編に飛びます(*´▽`*)
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