第九章 霊媒師こぼれ話_エイミウの星の砂

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『パァン? なんだよ、弥春(みは)茉春(まは)もそんなにじーじと遊びてぇのかぁ? まぁったくよ、いつまでたっても甘えん坊だな! まぁいいさ、じーじはちっとも困らねぇ、困るどころかウェルカムだ! 子供のうちはどんどん甘えてじーじといっぱい遊んでくれ! そうだな、さすがに双子が70過ぎたら遊んでくれなくなるかもだから、それまで遊び倒そうな! んー? なんだよ弥生、70才は子供じゃなくて年寄りだぁ? ケッ! なに言ってやがる! バンブー星の平均寿命は千歳前後、70なんて幼子だろが! あぁん? マジョリカまで笑うのか? チゲェよ、地球基準で考えるな、もっとグローバルになれ!…………って、はぁぁぁぁぁ……本当によ……地球人の命の短さには泣けてくるぜ(グズ……)……長生きしたってたったの百歳前後だもんなぁ(グズ……グズグズ)…………(ハッ!)ああ、クソッ! じーじとしたコトが、双子の前で泣くなんざ、なっちゃいねぇ! 弥春(みーは)茉春(まーは)、心配すんな、じーじは元気だ! ヨシ! じゃあよ、じーじと庭で遊ぼう! あ、それとヤヨも連れて来い。じーじの孫は弥春(みはる)茉春(まはる)とヤヨイだからよ! そうと決まれば弥春(みは)茉春(まは)も遊ぶ前にちっこ(・・・)してこい! おまえらは遊びに夢中になっちまうとトイレを我慢するからな! じゃ、じーじは先に庭に行ってる! ちっこはママと母ちゃんに連れてってもらえ! わかったな!』 ………………………………って、長っ!! 優しさが詰まっているのは分かったけれど、長い話に弥生さんとマジョリカさんは顔を視合わせ ”はぁ” っとため息。 ユリさんは呆気にとられ(私も)、当の双子はそれぞれで、弥春(みはる)君は頷きながら聞いていたけど(言葉の意味は理解してるのだろうか……?)茉春(まはる)ちゃんは途中でウトウト眠くなってしまったようだ。 一足先にバラカスさんが庭に出た。 弥生さんとマジョリカさんは ”ははは” と笑い、 「(わり)いな、ウチのじーじはいっつもあーなんだ」←弥生さん 『水渦(みうず)もユリもびっくりしたでしょ』←マジョリカさん 慣れた風にそう言った。 そして、バラカスさんが言った通りに双子をトイレに連れて行き、親子はそのまま庭に直行。 私とユリさんはもう少し部屋に残ると一旦此処で別行動になったのだが……それから少しの時間が経って、ふと、大きな声が外から部屋まで聞こえてきた。 それは誰かに、……いや、消去法で言えばバラカスさんに話しかけているようで…… ____おーい! おーい! はじめましてー!  ____僕、ジャッキーさんと弥生さんとおんなじ会社の ____岡村英海(ひでみ)と申します!  …………あ……この声、 あの人が、到着したんだ……!
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