第二章 霊媒師こぼれ話_持丸平蔵と清水誠ー1

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求人画面、その一番上には…… ____急募! 霊媒師1名。年齢、学歴、男女不問。経験者優遇。研修期間有り。霊力はあるけど除霊やお祓いは未経験という方、最初は先輩霊媒師と共に現場入りしますのでご安心ください。給与:経験、能力を考慮の上当社規定により優遇。社会保険完備。面接時は本人確認書類をお持ちください。履歴書は不要です。こちらで霊視させて頂きます____ 出ましたー! ふふふ、読んでる読んでる! さぁ、お言いなさい! ”わぁ! 霊媒師なんてカッコイー! 僕、この会社に入りたーい!” と! 『これなんかどうでしょう?』 ワクワクしながら画面を指差し、良い答えを今か今かと待ってると…… 「はぁ……霊媒師、ですか……って、ちょっと待ってください。冗談でしょう? 僕の認識が間違っていなければ霊媒師ってお化けや幽霊を相手にする霊能力者の事ですよね? 無理ですよ。僕に霊感はありません、いたって平凡な男です。それにしても最近の霊媒師は会社に所属するのか……てっきりお寺や神社の関係者の方がされるのかと思ってました」 あ、あれれ? 多少の予想はしてたけど、それ以上の難色。 チョット引いてるみたい……でも、挫けませんよ! この子、自分に霊力(ちから)があると思ってないのと、霊媒師の仕事をよく分かってないからこんな反応なの。 だいじょうぶです、ご説明しましょう。 『確かにお寺や神社の方が霊媒師も兼ねている、というのは多いですね。ですが、それより増えてきてるのがフリーの霊媒師です。フリーと言えば聞こえは良いですが、規定がないので料金もスキルも人によってバラバラで、運が悪ければ低スキル、高料金といったハズレ霊媒師に当たる事があります。もちろん中には素晴らしいフリー霊媒師もいますけどね』 まずは入口から。 簡単に分かりやすく、ここから私の口は大回転。 あれやこれや、ハズレでない霊媒師の探し方から依頼料まで、一般的なお話を始めましたが……彼はすこぶるポカン顔。 曖昧に頷いてるけど、どうも分かってなさそうです。 まだ説明が足りないかしら、それじゃあおかわり! 『そうです。この商売グレーになりがちなんです。そこでこの会社が設立されました。この会社は才能ある霊媒師を社員として雇い、雇用後も常に技術向上の為の定期研修を行っております。ですから霊媒師によってスキルの差がある……といった事がありません。そして料金も、一般的には霊媒師の言い値でしたが、この会社は明確です。たとえば……』 料金も明朗会計、怪しい会社じゃないですよと力説です。 だけどまだまだポカン顔……ん……でも続けちゃう! 『……といった感じです。霊障に悩むお客様に問診をしながら、予算に合った除霊をご提案します。いかかでしょう、良心的な会社ですし業績も徐々に上がっています。ここはひとつ面接を受けてみたら』 きゃ! 言っちゃった! お願い!  ウンって言って! おくりび(ウチ)の子になってー! ★このシーンのエイミー視点がココです(第一章の始まりのトコ)。 https://estar.jp/novels/24474083/viewer?page=2&preview=1
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