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生者も死者も同じように視えるなら、これまでだって知らないうちに、霊の姿を視てたんだろ。
ただ、あまりにも視えすぎるから、今の今まで自分の霊力に気づかずにいたのか……ははっ!
マジかよ……ますます面白えや!
『どう! 清水君! すごいでしょ? すごい子見つけちゃったでしょ!』
得意満面、ジジィが俺に自慢した。
ちっせえ霊体でふんぞり返って、ホッペタ真っ赤にしてやがる。
まったく、大興奮じゃねぇか。
でもまあ、今回ばかりは大手柄!
「はい! 予想以上です! もう俺、絶対岡村君を離しません! こんな子、余所に取られたら、とんでもない商売敵になりますよ!」
そうでしょそうでしょ、ジジィはコクコク頷きながら、熱い視線で俺を視る。
その目はまるでレーザービームだ。
____ハイ、採用! 即採用! 今すぐ入社手続きプリーーーーズ!
ビーム発射!
ココロで叫ぶジジィの声が、ここまで聞こえるようだった。
ったくよ、ウルセェったらありゃしねぇ。
分かってる、分かってるって。
ジジィはよ、こういう答えがほしいんだろ?
「さあ、先代! 彼に逃げられないように、さっさと入社手続きしちゃいましょう!」
ってよ!
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