第二章 霊媒師こぼれ話_持丸平蔵と清水誠ー2

8/11
前へ
/372ページ
次へ
生者も死者も同じように視えるなら、これまでだって知らないうちに、霊の姿を視てたんだろ。 ただ、あまりにも視えすぎるから、今の今まで自分の霊力(ちから)に気づかずにいたのか……ははっ! マジかよ……ますます面白えや! 『どう! 清水君! すごいでしょ? すごい子見つけちゃったでしょ!』 得意満面、ジジィが俺に自慢した。 ちっせえ霊体(からだ)でふんぞり返って、ホッペタ真っ赤にしてやがる。 まったく、大興奮じゃねぇか。 でもまあ、今回ばかりは大手柄! 「はい! 予想以上です! もう俺、絶対岡村君を離しません! こんな子、余所に取られたら、とんでもない商売敵になりますよ!」 そうでしょそうでしょ、ジジィはコクコク頷きながら、熱い視線で俺を視る。 その目はまるでレーザービームだ。 ____ハイ、採用! 即採用! 今すぐ入社手続きプリーーーーズ! ビーム発射!  ココロで叫ぶジジィの声が、ここまで聞こえるようだった。 ったくよ、ウルセェったらありゃしねぇ。 分かってる、分かってるって。 ジジィはよ、こういう答えがほしいんだろ? 「さあ、先代! 彼に逃げられないように、さっさと入社手続きしちゃいましょう!」 ってよ!
/372ページ

最初のコメントを投稿しよう!

474人が本棚に入れています
本棚に追加