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____入社手続きしちゃいましょう!
このコトバを聞いた途端、
ぱぁぁぁぁぁ!
ジジィの笑顔が炸裂した。
ははっ!
そんなに嬉しいのかよ!
ま、ジジィが視つけてきたんだもんな。
そう言やあ、ジジィが誰かをスカウトしてくるなんて久しぶりじゃねぇか?
『よし、わかった! 岡村君、ここに座って! 今から職務経歴を霊視させてもらうよ!』
なんだよジジィさっそくか!
俺も興味バリ沸きだし、アレもコレもぜーんぶまとめて視ちゃってくれよ! ……って、オイ大丈夫か?
岡村君、青い顔して汗掻いてるよ。
はっはーん、緊張してんのか、(ピコーン!
そーかそーか、まかせとけ!
俺が緊張といてやる!
なんてったってウチの社員になるんだ、社長の俺がサポートしねぇでどうする!
「顔色悪いけど大丈夫? 緊張してるのかな? よし、ここはひとつ俺がリラックスさせてあげるから。なに、今あるストレス以上の負荷を与えれば問題解決だよ」
とりあえず椅子回すか!
会社にいながらアトラクションだ!
なんかよ、岡村君ってよ、遊園地とか好きそうだよな(根拠はねぇが)。
だからコレで楽しくなれば緊張がとけるはず。
本当は野郎だし、張り手の一発でも決めてやろうと思ったけど、岡村君はそーゆーのに非対応っぽいし。
景気良く椅子回しをしていると、ジジィの準備が出来たみてぇだ。
『じゃあ、始めるけど気楽にしてね。見るのは職務経歴だけでプライベートな事は覗かないから大丈夫だよ!』
「あーーーーはぃぃ、ょぉぉろしくお願いします……だぁぁぁけど、僕どうしたらぃぃぃのでしょうかぁぁ?」
岡村君は……うーん、緊張がとけたのか溶けてねぇのかイマイチ分かんねぇ。
ま、大は小を兼ねるっつーし、もうちっと回しとくか。
ははっ!
なんかすっげースピード出てきたな!
もうコレ肉眼じゃ追えねぇわっ!
だけどその分リラックス出来るだろ!
……とまあ、俺としちゃあ良い事してたつもりでよ、なのにジジィに怒られた。
『何もしなくて大丈夫。ただリラックスして座っているだけで良いから……って清水君! こんな時に悪ふざけはヤメテ! ジャマ!』
ダーーーーッ!
ジャマってなんだよ!
岡村君を見てみろ!
緊張をほぐしてくれる、頼れる社長に感謝の気持ちでいっぱいの顔してんだろうがぁ! って…………あれ? あれれ?
この子、ちょ、ヤバくねぇか?
フラフラしてるし顔真っ白だしウップウップ言ってるし……もしかして、リバース秒読み?
あれ? あっれー?
回転椅子に酔っちゃった?
ヤベェ、やりすぎたか……!
と、とりあえず、病は気からだ。
気持ち悪いと意識したら途端に悪化する。
ここはひとつ親指を立ててだな、
「な! リラックスできただろ?」
ポジティブなコトを言ってみた。
岡村君はフラフラしながら、でも、俺に向かって(死にそうな)笑顔で頭をさげたんた。
ふーん、良いヤツじゃねぇか。
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