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大福は慌てたように首を振った。
『うななななななな(ブンブンブンブン)』←チガウチガウチガウ
「ちょ、そんなに首振らなくても……ぷっ! 大福は可愛いなぁ。あのね、今日から大福も家族だよ。僕の大事な娘なの、……いや、妹か? ま、まぁ、どっちにしても大事な仔には間違いなくて、……あのね、僕ね、」
『…………(ジー)』
「僕ね、今日お散歩に出て良かったよ。神社でさ、まさか大福みたいな可愛い仔と出逢えるなんて思ってもみなかった。大福、キミは可愛くて賢くて猫又で、僕なんかにはもったいないニャンコだよ」
『(ブンブンブンブン!)』
「あはは、だからそんなに首振ったら目が回っちゃうよ。ほらおいで、抱っこしよ(ぎゅー)。あのね、僕ね、大福の事一生大事にするからね。僕……ずっと知らなかったんだけど、僕には霊力があるんだって。だからこうして、命のない猫又の姿が視えるし、さわる事も出来るんだ」
『な……(ザーリザーリ)』←ん……(僕の手をザーリザーリ)
「まだ今一つピンとこないけど……僕に霊力があって良かったと思うよ。だってそうだろう? 霊力があるからキミと出逢えた。こんなに可愛い大福と、この先ずっと、ずーーーーーーーーっと! 一緒に住めるんだもーん! ハレルヤー!」
『うにゃにゃにゃー!』←ハレルヤー!
ンバッ! とふこふこ両手を広げて、後ろのアンヨで立っちの大福。
ちょ……ちょ……ちょーーーーーー!!
「可愛いーーーーーーん!!」
叫んだ僕も(でも音量小さめ、猫は大声が苦手だから)両手を広げて、モチモチ猫を再び抱っこ。
カワイイ! 幸せ! さいこー!
「大福、”ねこねこチェック” はどう? この部屋、”ごうかく” 出来る? ここで僕と暮らしてくれる? もしも気に入らないのなら……引っ越す! 姫の気に入りそうなアパートに引っ越すから! だから僕のそばにいてー!」
頭頂部に連続ぶちゅーの雨あられ。
僕は本気だ。
大福がココを嫌だというのなら、マジで、ガチで、お引越しをしちゃうからっ!
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