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新人が三位に入った! これはめでたい! お祝いしよー!
……という口実で、当時の上司が飲み会を開いたの(とにかくお酒が大好き、何かと言っちゃあ飲み会を開く)。
営業一課だけでなく、いろんな部署に声をかけて、その時に杏ちゃんも参加したんだ。
最初、杏ちゃんは遠くの席で、話す機会もぜんぜんなくて、相変わらす可愛いなぁとか、まわりに人がいっぱいだ、とか、そんなコトをぼんやり考えてたの。
そのうち……飲み会も終盤に差し掛かったところで、
____今月は今年入社の岡村君が頑張ってくれたんだ!
____なんと売り上げ第三位!
____いやぁ大したものだよ!
____これからもこの調子で頼むな!
____さぁ、岡村くんの頑張りにみんな拍手ー!
ワー!
パチパチパチパチ!
なんて……もー、お酒も入ってほろ酔いだから、大袈裟にそんな紹介されちゃって、僕がアワアワ慌てていると、いつの間に隣に来ていた杏ちゃんが、話しかけてくれたんだ。
____岡村さん、三位なんてすごいですねっ!
い、いや、まぐれだよ、
____研修の時はお話出来なかったけど……杏、岡村さんとお話してみたいなぁって思ってたの。
ほ、ほんと?
____そうだ! 杏とラ〇ンの交換しない?
え! いいの? も、もちろんだよ、
____岡村さんってカノジョさんとか……いるんですか?
い、いないよ! 僕、今は仕事でいっぱいいっぱいだから……それにモテないし、
____ふうん、そうなんだ……ヨカッタ、
え、なんか言った?
____ううん、なんにも!
そ、そか、
その日の夜に杏ちゃんからラ〇ンが来て、次の日には夕飯を一緒に食べた。
次の日もまた次の日も、なんだかんだと一緒にいてさ。
そんな事を繰り返した翌月に……僕らは付き合う事になったんだ。
信じられない……あの一番人気の杏ちゃんが、僕の彼女だなんて。
それから、僕は今まで以上に仕事を頑張るようになった。
営業で結果を出せば、杏ちゃんが褒めてくれる。
すごいね、頑張ったねって笑顔を見せてくれるから、それがすっごく嬉しくて。
杏ちゃんがいなかったら、ここまで仕事を頑張る事は無かったと思う。
優しくて可愛くて、僕はなんどもあの笑顔に励ましてもらったの。
僕にとって杏ちゃんは奇跡、その杏ちゃんが困っているなら、今度は僕が助けたい。
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