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____S線をご利用くださいまして、
ありがとうございます。
この電車は急行H行きです。
まもなく✕✕、✕✕に到着いたします。
お出口は右側です。
お、次は✕✕駅か。
降りる準備をしなくちゃな。
仕事帰りの電車内。
読んでた本をカバンにしまって、座席の上で背筋を伸ばす。
電車は徐々に速度を落とし、窓の向こうに古びたホームが見えてきた。
さらに減速。
車輪の軋む音がして、車体が小さくガコガコ揺れて、最後は若干前のめりに停車した。
プシュー!
案内通り、右側のドアが開いて乗客達が降りていく。
無表情な人の列にアタシも紛れて、ホームの上に降り立った。
うっわー!
✕✕駅なんて久しぶり!
先月までは毎日ココに来てたのに。
転職してからバタバタしちゃって、遊びにも来れなかった。
みんな元気かな?
新しい子入ったかな?
料理は変わらずマズイかな?
よーし、今夜は飲むぞー!
当然徹夜だ!
飲んで飲んで飲みまくってやるっ!
あひゃひゃひゃひゃひゃー!
なんてコトを考えながら、人の波の一部となって改札を通過した。
ココからは慣れた道だ。
駅を背中に左折して、テクテク5分も歩いて行けば築30年の雑居ビルが建っている。
ビルの前には全部で3台キャスター付きの電飾看板、店の名前がそれぞれ書かれて下品にギラギラ光ってるんだ。
あっひゃー!
コレコレコレコレェッ!!
このどぎつい色!(濃い紫、濃いローズピンク、濃い赤)
この荒々しい文字!(習字のウマイ人が書いたみたいなヤツ)
この年季の入りよう!(近くで見ると外装のプラッチックが割れてる)
どの看板もセンスを疑う下品さが最高にクールなんだよッ!!
あー、やっぱコレ見ると落ち着くな。
アタシのホームグラウンドだわ。
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