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「オイって! 教えろよー! 佐藤君とどういう関係なんだよー!」←小声
自分で言うのもなんだけど、アタシはしつこい性格なんだ。
気になっちゃって仕方がなくて、クドイくらいに聞いたんだけど、オッサン達は笑うばっかで教えてくれない、……とココで、いきなりだ。
店の中が歓声に包まれた。
ハッ! としてまわりを見れば、生きてるヤツらは拍手喝采。
みんながみんなグラスを掲げて乾杯してさ、”おめでとう” とか ”良かったね” とか嬉しそうにしてるんだ。
前ちゃんなんて泣いちゃてるし、スタッフの女の子達もおんなじだ。
そんな中、女王みたいな緑子ママは、背筋を伸ばして佐藤君の前に立つと、
「佐藤さん。桜の事、どうぞよろしくお願いします。この子は一見強そうに見えるけど、本当は繊細で傷つきやすい子なんです。大事にしてあげてください」
そう言って、深々と頭を下げた。
ちょっと待って。
アタシがさ、オッサンらと話してる間になにがあった。
なにってさっきのママのセリフ。
どう考えても佐藤君がガチ告白をして、桜がそれにOKしたってコトだよなぁ。
クッソー!
一番良いトコ見逃した!
オッサンらに集中しちゃって、他の声が聞こえてなかった!
感動の告白シーン、見たかったのにっ!
後悔しても時間は元に戻せない。
腹いせに、オッサン達に文句を言おうとした時だった。
『んもー! お嬢さんのせいでサトクンの勇姿を視逃したじゃないの!』
『うまくいったってコト? 合ってる? それで合ってる?』
『見逃したけどうまくいったんだよ! これでもう思い残す事はない!』
先に文句を言われちまった!
ムキー!(2回目っ!)
文句を言いたいのはアタシの方だわ!
でもまぁ____
ホールの真ん中。
宇宙席には幸せそうに手を繋ぐ、佐藤君と桜の姿があった。
2人とも顔が真っ赤だ。
お互いに片想いして気持ちを中々言い出せなくて、それが今夜、ようやく気持ちが繋がったんだ。
良かったな、幸せだよな、アタシもスッゲェ嬉しいよ。
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