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公園は住宅街の中にあって隼太の家から徒歩五分ほどだ。木でできたアスレチック風な遊具には滑り台がついている。その他にブランコ。鉄棒がある。隣にサッカーや野球ができるグラウンドが付いている。バスケットゴールもある。
隼太が公園に着くと、近所に住んでいる一つ下で人懐っこい性格の聡が柴犬とじゃれて遊んでいた。茶色い柴犬は前にも会ったことがある。聡の家の飼い犬だ。
「あ、隼太くん、サッカーするの?」
年下なのに同級生のような口ぶりだ。隼太は苦笑して答えた。
「うん、ショッピングモールに行く筈だったんだけど、お父さんが風邪ひいちゃってさ。誰かいないかなと思って来てみたんだ」
聡はピンク色の頬をあげて笑った。
「僕、サッカーしたい」
今日は晴れているが風が強くて寒い。早く身体を動かして温かくなりたい隼太は頷いた。
「じゃあ一対一でやろう。ゴールキーパーは無しだ」
柴犬のリードを木に括り付けると聡はダウンジャケットを脱いだ。隼太もトレーナー姿になる。ダウンジャケットはベンチに置いた。
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