風邪を甘くみたらいけない

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 二時になってお母さんと壮太が出掛けて行った。隼太は二階から勉強道具を持って来て和室のテーブルで宿題をした。少数の問題。隼太は算数が得意だ。  少ししてお父さんが起きた。 「あれ、寝ちゃったか。喉が渇いたな。隼太、お母さんにミネラルウォーターを頼んでくれ」 「お母さんは壮太と出掛けたよ。お父さんのミネラルウォーターは僕が持ってくるから。熱を測っておいてよ」 「あ、ああ。どこに出掛けたんだ?」 「ショッピングモールだよ。寂しい?」  言いながら隼太はキッチンへ移動して冷蔵庫から飲み物を取った。自分のコーラも持って和室へ戻るとちょうど体温計が鳴った。お父さんが唖然とした。 「隼太、三十九度だって」 「そうか。お父さん、病院へ行こう。スマホ貸してくれる?」 「いいけどなんで?」 「タクシーを呼ぶからだよ。N総合病院の診察券と保険証を用意して」  お父さんはカード入れと茶色い皮の財布をリビングに置いてあるショルダーバッグから出した。ふらふらとしているのが隼太にも分かった。 「これでいいのかな? 隼太に迷惑かけてすまん」 「僕も風邪ひいたことがあるから分かるよ」  タクシー会社はスマホのアドレス帳に保存してあった。隼太がかけると四、五分くらいで来られるとのことだった。
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