風邪を甘くみたらいけない

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 フェンスのある通りからグラウンドをぐるりと回ると公園に出てそこからグラウンドに入れる。日曜日の昼間などは草野球チームが借り切っていることがあるが普段は誰でも使っていいことになっている。お父さんが来ると偶然にも同級生の高志(たかし)が来た。サッカーボールを持っているところを見ると隼太と同じ目的で来たらしい。ベンチコートを着ていて下はジャージだ。 「隼太にえっと君は誰だっけ? 四年生だったよな」 「聡だよ。高志くん」  聡は誰にでも友達のように喋る。隼太は苦笑した。お父さんはにこにこと嬉しそうだ。 「これで二対二のサッカーができるな。俺と聡くんのチームと隼太と高志くんのチームに分かれよう。ゴールキーパーは無しのままでいいな」  高志が訝しそうな顔をしたあと手を打った。 「あ、隼太のお父さん。今日は土曜日ですもんね。仕事は休みか」 「ああ。サッカーに混ざりたい。みんなそれでいいな」  みんなは元気に「はい」と言ったが隼太は渋々頷いた。風邪は薬で治まっているだけなのだ。  じゃんけんをしたらお父さんのチームが勝った。聡が最初にボールを蹴る。お父さんがパスを受け取った。そのままドリブルするが高志にボールを奪われた。高志は隼太にパスをする。今度は隼太がドリブルでゴールに向かう。そのままシュートをした。ボールはネットに当たって地面に着地する。 「あー、負けちゃったな。もう一試合だ」
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