風邪を甘くみたらいけない

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「お兄ちゃん、疲れているんだって? 下で一緒にDVD観ようよ。アニメ面白そうだよ」 「うん、もう借りて来たのか。今、リビングに行くよ」  隼太は壮太を先に部屋から出して一階に降りた。階段を降りると廊下があって右が玄関だ。リビングは和室を左手に見ながら進んだ先にある。ドアを開けるとエアコンの温度が暑いくらいだ。お父さんはソファに座ってコーヒーを飲んでいる。 「お父さん、熱は測った?」 「うーん、三十八度あったよ。風邪薬が効いてないのかな」 「効いていて本当はもっとあるのかもしれないよ。二階で寝ているのが寂しかったら和室に布団を敷いてもらえば?」 「そうだな。二階で寝ているのは嫌だったんだ。和室の襖を開ければテレビでアニメのDVDも観られるしそうしよう」  大人なのに大人らしからぬ発言だ。隼太は噴き出した。 「なに笑っているんだよ」 「だって僕が風邪をひいたときは二階の子供部屋で大人しく寝ていたよ」  お父さんは赤くなったあと「パジャマに着替えてくる」と言った。
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