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プロローグ
ねぇ、先生……私思うんです。
地球は泣いてる……って。
おかしいですか?日々を過ごしていればテレビ番組や雑誌とかでよく話している、専門家がいるでしょう?地球の未来とか、隠された陰謀説とか。私、全部事実としてあり得ると思ってます。どれも否定はしないし、今さらその事実に驚きはしません。
……だって、この世で一番の不思議と謎は、『人』であってその『人が存在している』ことだと思いますから。
私はただの一般人です。言ってしまえば、何の特化した知識もない人間です。だから、専門家がするような証明とか研究とか……もちろん論文なんかもありません。書くつもりもないのです。
だから、これは私の『幻想』で『創造』に過ぎない。戯言のようなものです。
それでも、先生のような『専門家』なら、少しは聞いてくれるんじゃないか……そう思って手紙を書きました。
先生、私はきっと『普通』の人間ではないのです。今は亡き両親も『普通』じゃなかったですから。それはおいおいお話しますね。話を戻しますが、前に言った通り、私は普通じゃありません。
私は『地球と会話』するから。
先生。今から話すことは全て事実であり、私が自ら体験したことです。その『日記』とでもいいましょうか……体験談をノートに納めて同封致します。
これをどうにかしろということではありません。先生は、ただ『日記』を読み、時には笑い。時には興味をそそり……そうやって楽しく読んで貰えればそれでいいのです。それだけで私は救われる。
例え、このことを論文として出したとしても、人は信じないでしょう。嘘や戯言……まやかしだと思うでしょうね。証明できるものは何一つありませんから。
それでいい。この『日記』はあり得なく残酷な事実も含まれています。世界の起源について。『クジラの唄』について。あまねく事実を先生は目にするでしょう。
これは私でも体験したこと。それは事実です。だけど、幻想ではないと言い切ることも私にはできない。私が造り出した『創造』であると。
幻想か事実か……私にも分かりません。
だから、『読む』だけでいい。私一人に閉じ込めておくにはあまりに大きく、そして美しく、儚いものなのです。
先生、『地球の涙』を知っていますか?
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