2人が本棚に入れています
本棚に追加
目を覚ますと、俺はベッドで眠っていた事に気づく。
起き上がると自分は何故か裸で、真横には美しい女性が俺と同じく裸で眠っていた。
女性の肌に触れると、なめらかな感触が手に伝わってくる。
すると、女性はそんな俺の手を優しく掴むと微笑みながら頬をすりつけてきた。
これまでにないほど平和的な世界。
だがこの世界も、夢である可能性は高いだろう。
ベッドから起き上がり、服を着ると当たりを見渡す。
「あれぇ、もう行っちゃうの?」
女性が寝ぼけ眼をこすりながらゆっくりと起き上がりながら問いかけてきた。
「あぁ、今日は用事があって……」
彼女に現状を説明したところでどうせ無駄だろう。
そう思い適当に話を合わせると、彼女はふわりと優しく微笑む。
「行ってらっしゃい」
本当に出来た夢だ、この世界はこれまでの中で一番後ろ髪を惹かれる思いをしてしまう。
外を歩くと、丁度世間は通勤ラッシュなのだろうか、誰もがあわただしく何処かへと歩き去っていった。
見上げると、目を突き刺すような太陽に明かりに目をしぼめる。
当たりは高層ビルが立ち並び、これまでで最も親近感のある世界である感覚がした。
ついに現実にたどり着いたのだろうか。
そう思った時、何だから突然笑いがこみ上げてくる。
俺は何と都合のいい脳みそをしているんだ。
最初のコメントを投稿しよう!