痛み

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即死とは、何ともあっけない死ではないか。 そう思考を巡らせた時、ふとこの現状に違和感を覚える。 何故俺は即死しても尚、思考が出来るのか。 そう思うと同時に徐々に視界が開けていき、真っ白な天井が映し出された。 あたりを見渡すと、洗礼された小さな部屋で俺は先程まで眠っていた事に気づく。 腕から管が伸び、その先を見ると点滴されている事も理解できた。 どうやら今度の空間は病院の様だ。 前回の落下で助かったのだろうか。 そう思い、自分の体を弄ってみるが痛みを感じる場所はない。 ならば、俺は何の為にここで入院している。 理解する為にも手元にあるナースコールを押した後、頬をつねってみた。 やはりここでもしっかりと痛みを感じる。 加えて空腹も感じる事から、案外健康なのかもしれない。 「……遅いなぁ」 ナースコールを押してしばらくするが、一向に看護師がこちらに来る気配がない。 試しにもう一度押しても、結果は同じだった。 仕方なく立ち上がると、体がバランスを崩し、慌てて側の手すりにつかまる。 力が思うように入らない。 俺はこの世界でどれだけ眠っていたのだろうか。
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