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「クソッ……クソッ……クソッ‼」
自分がこれ程までに臆病な性格だとは思わなかった。
だが、これではこの世界から脱出することが出来ない。
ひとまずココでの自殺は諦め、メスをその場に置き、ナースセンターから出る。
そしてそのまま屋上へと向かうと、扉を開け外へと出た。
真っ暗な世界で、干されていたシーツが月夜で青白く照らされ、それが風にはためく。
屋上の端を歩き、下界に広がる星空を見渡していると、次第に呼吸が落ち着いてくる。
これなら何とかなりそうだ。
そう思い、今度は自分の意志で頭から飛び降りた。
心地よい浮遊感が体を包み込み、俺はその星へと近づくと、一瞬の衝撃と共に視界が又真っ暗に世界に染まっていく。
こうして、俺は又別の世界で目を覚ました。
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