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夏の夜、いつもより肌寒かった。多分、何かを予知してたんだと思う。
その日僕は失った。何を失ったのか分かんないけど、確実にポッカリと穴が空いた。
日に日に可怪しくなってゆく。隣の爺さんは僕の親みたいな人なのに、昨日なんて誰かわかんなくなってた。
母さんと父さんは僕を産んですぐ死んじゃったんだって。事故だったかな?
もしかしたら殺されちゃったのかも。
皆、僕には教えてくれないの。なんでも誤魔化してばかり。
そんなの通用しないのにね。
なぜって?
それは僕は生まれる前からその根源が誕生する前、そう、この世界が作り上げられたときに最も残虐で非道な生物に愛されたからだよ。
多分ね皆知ってるの。だから僕を産んだ母さん達を殺しちゃったんだと思う。
まあ、そのせいもあって記憶がだんだんと薄れていってるんだと思うんだけど。母さん達の事と僕の神のような存在のことは覚えてるんだ。
なんだか、不思議だよね。
あっ!そうそう忘れてた。そういえばね、僕には圧倒的な力と体と知恵がある。
百トンの船を載せられたってかすり傷一つつけられない。
だから、この力を使って僕だけの国をつくろうと思う。
何?怖いって。大丈夫、僕の邪魔をしなければ危害は加えない。
ああ、ごめんね。話がそれちゃったね。僕にはポッカリと穴が空いちゃったから、それが何なのか確かめようとしたら国を作れって声がして、その言葉をしんじて作ってみようと思ったんだ。
もちろん、手助けしてくれるんだよね?
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