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夢じゃない
ハンスが目を覚ましたのは自分のベッドの中でした。
慌てて飛び起きて体を探ると、首には金の鍵がちゃんとかかっていました。
「夢じゃ……ない!」
ハンスは家を飛び出してマルコのもとに向かいました。
もう日も高く登っていました。
マルコは干し草置き場の前で1人立っていました。
「マルコ!」
ハンスが駆け寄って声をかけると、マルコはホッとしたような笑顔を見せました。
「やっぱり夢じゃなかった」
マルコはそう言うと両手に金の鍵を握りしめてにっこり笑いました。
2人は一緒に過ごすようになりました。
仲良くなるにつれ『春になったらお別れ』という現実が二人に重くのしかかりました。
そんなある日の午後、2人が薪を割っていると、豪華な馬車が雪を巻き上げて走ってくるのが見えました。
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