エーミールの画策

1/1
前へ
/29ページ
次へ

エーミールの画策

 屋敷に帰ってから、エーミールは雲の上の小屋で行われた素敵なクリスマスパーティーのことをずっと考えていました。 『運命には従うしかないさ』 と、マルコは言いました。 『君がこの村にいる間くらい、こうして暖炉の前でおしゃべりをしていたい』 ハンスはそう言いました。 「過酷な環境で生きている二人は、運命を甘んじて受け入れる習性がついてしまっている。変えられるのは僕だけだ。それこそが、クリストキント様が僕を選んでくださった理由なんだ」 エーミールはキュッと口元を結んで立ち上がりました。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加