その後

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その後

「それからどうなったの?」 「あれ、君たちまだ気づかないのかい?」 初等教育4年生のクラスはざわめきました。 「君たちの担任の名前は『マルコ』そう、つまりこれは僕のお話さ」 マルコはいたずらが成功したように目を細めて笑います。 「僕は君たちくらいのとき、何も持っていなかった。だから人生を変えるなんてだいそれたことは思いつきもしなかった。流れに任せてその日その日を生きるので精一杯だった。 10歳になった君たちは、これから将来の道を選ぶ。 どの道を志すのも間違いじゃない。 ただそのとき、運命だからと諦めるのは少し待ってほしい。 道は自らの手で切り開くことができるんだと僕の親友たちは教えてくれた。 それを君たちに伝えるために、僕は教師になったんだ」
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