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用心
「いかけ屋ときたら、年寄り子供を合わせて10人もいたよ」
「まぁ! 干し草置き場では入り切らなかったのでは?」
「この凍える雪の森で野宿するよりは良いだろう」
戻ってきたトーマスとエマが話すのを聞いて10歳になるハンスは口を挟みました。
「その人たち、火が使えなかったらどうやって温まるの?」
「干し草に潜り込んで温まるのさ」
「暖炉に当たればいいのに」
「客人のような扱いは彼らにとって分不相応だ」
ハンスはトーマスの答えに不服そうな顔をします。
エマはそっと付け加えました。
「見知らぬ人を不用意に家に招き入れてはいけないわ。中には悪い人間もいるかもしれないんだから」
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