Chapter.1

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title:Ace *****_********* ああ また今日も貰ってしまったよ優秀賞 「喰う空気が違えば値も変わる」ってもう実証 破れた服の袖と 陣に棄て置かれた包帯と 明らかに減った弾丸と隣人の馳走に合掌 なあ友人よ 信書は届いていたかい 僕は摘まれるより摘むことのほうが恐ろしい いや、ごめん 見栄を張った やっぱり三途の渡り時ぐらいは選ばせてくれよ ああ また今日も思い出してしまったよ「紛いもの」 そんなわけないって本当 瑕扱いされたら最期 世界が歪んでいないと 僕は形保てないもんで 本当は少しだけでも 人間愛を信じてみたかった なあ友人よ ()る一節を覚えてるかい 僕は人害だからきっと何にもなれはしないだろう ああ もうすぐ出陣だ もう一度 君とゴスペルを歌えたらよかった なあ友人よ あの日のことを覚えてるかい キミが人外だったら空を自在に飛べそうだねって なら今その目で見てくれよ 僕が空を翔ぶその刹那を 君の空に燃え墜ちる刹那を 血と炎の匂いの中で 分袂した君の慟哭を聞いた キミは人害なんかじゃない そうか 僕は人間なのか
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