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実果の家に着いて、暖かい部屋の中に入ったのはいいけれど、机の上に並べられたものを見て、紗良は一瞬首を傾げて困惑の眼差しを実果に向ける。そんな紗良の様子を気にすることなく、楽しそうに実果はグラスを上に持ち上げた。
「さ、乾杯しようよ!」
実果は乾杯する気満々だけど、その飲み物が何なのか理解するのに時間がかかり、紗良はなかなか応じられない。
「ねえ、それ何なの……?」
実果が可愛らしい笑みを浮かべながら手にもつ、ガラスのコップに入った灰色の液体に、紗良の視線は釘付けになっていた。
とてもおいしそうなものには見えないし、そもそも人が飲んでも体に悪影響がない物かどうかも怪しい。せっかく準備してくれた実果には悪いけど、飲むのを躊躇してしまう。
そんな紗良の不安は気にせず、実果は自信満々に言う。
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