第6章 偽装彼氏の契約解除

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「翔子さんは、以前に感情のまま椎葉さんを責め立ててしまったことを後悔しているそうです。椎葉さんがずっと罪悪感を持っていたことにも気づいていらっしゃいました。でも『もう大丈夫』だそうです。いまは仕事に夢中らしいんですけど、そのうち恋愛もしたいとおっしゃっていました」 「そっかあ。翔子ちゃん、本当に元気になったのか」  椎葉が安心したように微笑むので美優もつられた。 「よかったですね」  椎葉と一緒に過ごすようになり、美優は表情がやわらかくなった。そのことは美優本人も自覚していて、自分でも驚いているところだ。  椎葉と一緒にいると楽しいし、安らげる。  一生誰も好きにならないとすら思っていたのに、こんな幸せな恋愛ができるとは思っていなかった。 「椎葉さんに会えてよかったと心から思います」 「急にどうしたの?」 「いまの気持ちを伝えたかっただけです」 「なんかよくわかんないけど、ありがとな」  椎葉は感動し、胸がじんわりとあたたかくなった。  どんどん変わっていく美優がさらにかわいさを増し、好きで好きでたまらない。  もっと大切にしたい。椎葉は改めて美優を離さないと心に誓った。
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