学園生活の幕開け

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東雲 春吉side 桃「大丈夫ですか?怒ってますよね…。」 そう言って目の前の彼は私の目元に手を伸ばす。 春「は…?」 桃「あっ…すみません…。副会長さんってお忙し   いのにわざわざお迎えに来てくださっ   て…。少し、イラついて居るように見えま   して…。」 それもそのはず、私は本当に苛ついていた。 ただ職員室に書類を提出しに行っただけなのに、職員室の隣の管理人室から出てきた生徒会顧問に「外部の新入生が今来たから迎えに行ってくれ」と言われ、ここまで来たのです。 初めて目の前の彼を見た時、喉が『ゴクッ』と音を立てた気がします。容姿端麗な生徒会メンバーや、他の生徒を見慣れて居る私でも息を呑むような目の前の美少女いや、美少年。 155センチ程度の身長にカーディガン越しでもわかる、細い体。ふわふわとしたグレーの髪から覗く、くりくりとした猫のような形の大きなピンクがかった金色に淡く光る瞳。その瞳を囲むように生え揃った長い睫毛。小さくスッと鼻筋の通った鼻。真っ赤な唇に、病的ではなく健康的に白い滑らかな肌。 ですが驚きました。自慢ではないですが、私は表情を偽るのが得意なんです。この事を知って居るのは私の専属執事や生徒会メンバーのみ。しかも初対面で見破られたのなんて執事以来です。 彼は他の人たちと違う…。彼には私を。本当の私を見てもらいたい。嫌われたくない。 ドクドクとなる心臓をどうにか抑えて、私は目の前の彼に向き直りました。 桃「あの…副会c「春吉」…ふぇ…??」 春「私のことは春吉と呼んで?」 桃「ふぁ…春吉せんぱ、ぃ?」 春「(なんて可愛らしいんだろう…)えぇ。私も   桃と呼んでもいいかな?それに私は2年   生。だからタメ口でもいいよね?」 桃「‼︎はい!勿論です(^-^)」 パシャ 桃「春吉先輩…?」 春「あぁ…失礼。私写真を撮るのが趣味で      ね?」 桃が可愛すぎて手が勝手に…。 春「では今から理事長室に案内して、そのあと   職員室、寮の順番に行くからね。校内は入   学後友達とでも行くといいよ。」 桃「ありがとうございます。春吉先輩…!」
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