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「聞いたよ。残念だったね」
「納得がいきかねるのですが、理由を教えていただくわけにはいきませんでしょうか」
いかにも悲しみに溢れた声になったのは、作ったわけではない。
「僕も理由については聞かされてないから」
案の定、山本の答えは定型どおりだった。
「ずっと御社に入社することだけを目標に頑張ってきたんです」
宗春は必死に山本に取り縋った。
「小山田君は優秀だからさ、他所(よそ)で良さが生きると思うよ。じゃあ僕は仕事があるから」
電話は無情に切られた。
宗春はスマホを机の上に投げ出すとため息をつき、お祈りメールをゴミ箱に放り込んだ。
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