I miss you -side 大地 -

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 大地がひととおりのアドバイスを終えると、随分と時間が経っていた。周囲の人影はまばらになり、広いフロアのあちこちで照明が落とされている。 「ありがとうございます~。時間取ってすみません。梯さんはもう帰られますか?」 「いや、もう少しやっていくよ」  特に急ぎではなかったが、中断した仕事だけは済ませておきたかった。 「じゃあ、お礼にコーヒー買ってきますね」 「ありがとう。けど、自分で淹れるからいいよ」  礼を言って大地が給湯室に向かうと、河瀬もひょこひょことついてきた。大地はいつも自分で淹れるが、河瀬は一階のコーヒーショップのものを飲んでいる。 「インスタントでよけでば飲む?」 「いいんですか」  河瀬が待ってましたとばかりに破顔する。 「お礼どころかご馳走になってすみません」 「砂糖とミルクは?」 「あ、ブラックでいいです」 「了解」  自分のカップに牛乳を注いでレンジにかけると、その間に紙コップを出して河瀬の分を淹れる。 「なんか手際がいいですね」 「そう? まあひとり暮らしが長いし」 「自炊してるんですか?」 「特別凝ったものは作らないけどね」
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