私はあの子になりたかた

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「助けてくれなくてもよかったのに。ごめんね」  さっきとは違う、柔らかい笑顔で謝る真由。 「ううん。あまりにもひどい言いようだったからいても経っても入れなくて。」 「中学から変わらないね。」 「そうかな。前より周りの状況がわかるようになったから。無策では突っ込まないよ。」 「でも、すごく助かるよ。ありがとう。」 「お礼はいいから、早く二限に行きますよ。」 「はーい。先に行ってて。一回教室に行かないといけないから。」  じゃあ!と左手を振りながら教室の方に向う。  その時は気がつかなかった。  彼女の太ももに大きな痣があることを。きっとあの場の全員が。  
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