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ソファーから立ち、床に散らばった花瓶だったものを拾う。
大きいカケラを一個ずつ。手で拾っていく。
「手、怪我するよ。廊下に箒あるからそれで掃除するよ。」
「そうだね、一緒にちりとりも持ってくるね。待ってて。」
手に持っていたカケラを床に置き、指導室から出る。
「うちのクラスからいじめ!?そんなはずはないです。」
ドアを開けた先で。担任の先生が大きな声が聞こえた。
指導室を開けると、渡り廊下があり、担任の先生、柴田先生、おそらく石田さんの母親らしき人が話ししていた。
「しっかりとした証拠も、証言も持っています。お話をしっかりと話させてください。」
柴田先生も焦ったような声で質問している。
「いじめてるとしても、違う人物です。クラスに素行が悪い生徒がいるので。」
「本人が、証言しているんです。何をそんなに娘の気持ちを聞いてくれないんですか?」
石田さんのお母さんだろうか。染めていないであろうストレートな茶髪がとても綺麗で、どことなく、娘さんに似てるなって思う。
親は、子供のためならここまで怒れるのかと、改めて思った。
自分との格差を思い知らされる。
涙が出そうな時に、また彼女が部屋に来た。
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