生きている難しさ

7/10
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
ソファーから立ち、床に散らばった花瓶だったものを拾う。  大きいカケラを一個ずつ。手で拾っていく。 「手、怪我するよ。廊下に箒あるからそれで掃除するよ。」 「そうだね、一緒にちりとりも持ってくるね。待ってて。」  手に持っていたカケラを床に置き、指導室から出る。 「うちのクラスからいじめ!?そんなはずはないです。」  ドアを開けた先で。担任の先生が大きな声が聞こえた。  指導室を開けると、渡り廊下があり、担任の先生、柴田先生、おそらく石田さんの母親らしき人が話ししていた。 「しっかりとした証拠も、証言も持っています。お話をしっかりと話させてください。」  柴田先生も焦ったような声で質問している。 「いじめてるとしても、違う人物です。クラスに素行が悪い生徒がいるので。」 「本人が、証言しているんです。何をそんなに娘の気持ちを聞いてくれないんですか?」  石田さんのお母さんだろうか。染めていないであろうストレートな茶髪がとても綺麗で、どことなく、娘さんに似てるなって思う。    親は、子供のためならここまで怒れるのかと、改めて思った。  自分との格差を思い知らされる。  涙が出そうな時に、また彼女が部屋に来た。  
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!