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「私も良い子でいようって思ってる。でもそれって外堀から攻めていくと案外楽なの。でも、難しいよね。ただただ、生きていく上で親の課せられたレールや、逆にほっとかれて、
何も知らない、教えてくれないのに。いつの間にか他人が怖く感じるよね。わかるよ。私がそうだから。」
そう言う彼女は、笑っていたが、さっきみたいなお世辞のような笑顔じゃなかった。無邪気な、子供みたいな笑顔で、私に笑いかけてくれた。
いつも、いらないって、迷惑だって言われ続けていた私に。
「私も、いい子じゃないよ。証拠集めって名目でスマホを持ってきたり、春井さんみたいに直球で行けなかった。」
大きなカケラを改めてちりとりに入れ、掃除していく。
それをただ、眺めているだけだった。
「私、誰かにあなたがいて良かったって思われたかった…。自分勝手かもしれないけど、そのためだけに、石田さんを助けたの。だから、優等生でもなんでもない。」
涙を堪えて、ずっと思ってたことを吐き出した。
「私は、必要ないって、迷惑だって言われてて。朝、起きれなくてキツくて。でもそれを言っても怠けてるって言われるようになってから、私は、もうみんなが敵になってきたの。それだけ。私が問題児って言われるようになってるのは。」
彼女は、手を止めずガラスをちりとりに入れる。
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