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「だから、私はもう、必要ない存在って諦めてた。」
「必要かどうかって誰が決めるのかなあ。」
大きなガラスを拾い集めて雑巾で水を拭く。
「春井さんがどうであれ、石田さんにとっては、救われたと思う。その点で言われれば、春井さんは必要な人だと思うよ。」
涙が溢れる。
普段は、泣いてやるもんか。泣いたら負けだと思っていたから人前で絶対泣かないのだけど、彼女が、私のほしい言葉をくれるから。
生きてていいって思える。
「私は、間違ってなかった?助けたことも、生きていることも。」
川畑さんは、真っ直ぐ私を見て。
「うん。私は保証する。生きててくれてありがとう。」
胸がドキドキした。
こんなに私を肯定してくれるのは彼女は初めてだから。
私は、川畑さんを抱きしめて泣いた。
泣いてる私を彼女は、何も言わず頭を撫でてくれた。
美里と出会った、最悪な出会いだけど、私の中では、生きてていいっていってくれた、初めての人だったから。
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