私はあの子になりたかた

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カバンを下ろしに、自室に向かう。  2階の、階段を登り右に曲がると私の部屋。  左は姉。真正面は母と父の部屋となっている。  部屋に入ると、窓から夕日が入っていた。そこには、7畳半の部屋に学習机と椅子。ベットが並んでいる。部屋についてる収納スペースに必要最低限の服が入ってる。  その他のものは、もう捨ててしまった。  必要なくなってしまったのだ。周りが姉を見ている限り私は、私らしさを捨ててしまわないといけない。    学習机にカバンを置くと、どっと疲れてしまった。  制服の皺を気にしたが、ベットに横たわる。  思い出す。  今日の放課後のこと。真由のこと。  また、あの色に染めるのかな。でも、赤もきっと似合うよね。シルバーとかどうかな。  真由の顔を思い出しながら考える。  誰にもならない、真由の存在。私にはない才能や、何にも縛られない彼女に憧れている。 「早く、会いたいよ。」    彼女に触った右手がまだ熱を持っているように感じる。  憧れとはまた違う感情が、時折出てしまう。  その感情の名前を知っているけど、気づかないふりをする。そうしなければ、彼女を傷つける様な気がした。  
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