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私はあの子になりたかた
他の人の息切れの音がうざったい。
走り終ったからなのか、夏だからか。体が異様に暑く感じる。
タイムを見る。
新人戦。一位との差は0.3秒。
私の結果は、二位という評価だった。
部活のメンバーがそばに来る。「すごいよ!」「初めてでここまでの成績はすごい。」と口々に言ってくれた。
意味がない。
息が途切れ途切れになりながら、私はそんなことを思う。膝をついていた体勢から、徐々に歩き出す。
姉は、一位だったのだ。この種目。この大会で。
なのになんで。
空は青かった。
悩んでたり、私が行き詰まった時話すあの子。
この足で、今すぐ会いに行きたいあの子。
逃げになってしまう。そう思い、私は監督のところに行く。
私の好きな子の色は、青色なのだ。
そんなことを考える、高校一年の新人戦。
私は、姉の様にはなれなかった。
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