お届け物

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なんで………………。 届いたメールを見て、私は肩を落とす。 『ごめん!今日用事できた。 お前も調子悪そうだったし、家でゆっくりしとけよ!』 っ……。私は思わず涙があふれる。 せっかくの私の誕生日。 せっかくできた彼氏なのに。 裏切られた。 いやっ、彼は友好関係がとても広くて、仕事もいつも忙しそう。 だからっ、だよね。 『了解!心配してくれてありがとね』 と、思ってもいない言葉を打ち込んだ。 そして、私は何も考えないように、寝ることにした。 寝る準備が終わった頃。 インターホンがなった。 こんな夜中に何?宅配便かな。 「来たよー」 えっ……。 画面にはいないはずの彼氏が。 すごい生意気そうな顔して立っている。 「え、なんで……っ」 私、メイクも取っちゃったし、ダサいパジャマだし。 入れられないよ……。 「開けてーー」 私は、開けるボタンを押すにも押せなくて、画面が切り替わってしまう。 ガチャッという音がした。 「おめでとう」 「え……なんで」 「そういえば、合鍵もらってた!」 「そういえば、渡してた」 私たちは、そう言って顔を見合わせて笑った。 世界一楽しい誕生日になりました。
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