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けっきょく、リーダーをタイマン勝負で打ち負かしたこともあり、売られたこのケンカはチーム・ドラコの完全勝利に終わった……。
その後、バルトロメウスのメンバー達も希望する者はドラコ一味に吸収され、また、彼らが海賊船として使っていた黒い船体のジーベック(※横帆と三角帆どちらも持ち、遠洋航海もできる足回りの速い中型船)〝バブトリア号〟も手に入れたことで、いよいよドラコは押しも押されぬ海賊団の船長へとのし上がることになった。
「兄貴、そのジュストコール、超カッコイイっすネ!」
背に〝赤いドラゴン〟の刺繍がなされたドラコのジュストコールを見つめ、畏敬の念を抱くメンバー達は純情な瞳をキラキラと輝かせている。
「へへへ…船もデカくなったし、ちったあ船長っぽくしねえとな……」
そんな子分達の眼差しにドラコは少し照れながら、革のジャーキンに代えて羽織る新調のジュストコールを翻し、新たな乗船となったジーベックの船尾楼の上へと登る。
「野郎ども! 俺達チーム・ドラコは人数も倍増し、海賊に相応しいイカした船もこうして手に入れたあっ! この、名だたる海賊達が鎬を削る新天地の海に、俺達で新しい世界作っぞお!」
「オォォォーっ…!」
そして、今や完全にトレードマークとなった〝赤いドラゴン〟の海賊旗を天に掲げ、大声で皆を鼓舞する船長フランクリン・ドラコの姿に、メンバー達も腕を突き上げ、興奮の雄叫びをどこまでも青い海に響かせるのだった。
この後、ドラコを頭とするこの一味は順調に勢力を拡大し、トリニティーガー島でも名の知れた七人の有力海賊の一角を担うようになる。
そして、魔導書を専門に奪う風変わりな海賊〝禁書の秘鍵団〟とも彼らの運命は交錯し、本当に世界を変える大喧嘩に巻き込まれてゆくこととなるのだが……それは、まだまだ先のことである。
(El Dragón Malo ~悪龍~ 了)
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